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前回の北海道地震のまとめ

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防災

昨日の夜、北海道で地震が発生しました
昨年の地震発生時の体験を以前
書きとめておりましたので
改めてまとめ直してみました。


北海道地震


2018年9月
北海道で発生した地震対応をした時の
出来事になります。
皆さんも記憶に新しいことなので
覚えていると思いますが、
この災害は今までとは
全く違う対応が必要でした。

地震が発生した当日ですが、
その時点では、グループのリスク対応全般を
担当していたので
本社に対策本部を立ち上げた後、
すぐに現地に向かいました。
飛行機のチケットが手に入るか分からない中、
羽田空港に向かいましたが
グループの会社が必死に頑張ってくれたお陰で
何とかチケットを入手し北海道にむかいました。

到着は地震の影響で、
新千歳空港ではなく旭川空港となりました。
発災直後の現地入り自体は
初めてではありませんでしたが、
到着後、想定外の事象が次々と起こります。

到着した瞬間にこの災害の大変さと
それ以上に不気味さを感じました。
到着直後に空港でのことです


エスカレーターが動いていない、
電気が点灯していない、
自販機が動いていない、

 

停電しているだけなのですが、
何も壊れていないのに電気が無い世界が
どうなるのかということを体感しました。
これがもし、首都圏で発生したらと思うと、
心底ゾッとしました。

停電の為、ガソリンスタンドが営業出来ていないので、
到着後の移動はタクシーとなりました。
レンタカーで動けないという事態も想定外でした。
結果としてこのタクシーで移動する事が、
我々にとって大きな意味を持つことになります。
私個人にとっても大きな意味を持つことになりました。

初動が大事
社会人になってから、様々な災害対応を経験しました。
特に近年、リスク全般を管掌する立場となり
その対応のど真ん中にいたのですが、
災害が発生する度に新しい気付きがあり、
反省することばかりでした。

その中で、忠実に実行してきた事がいくつかあります。

一番大切にしてきた事は、

然るべき立場の人間が災害の現地、現場に

一刻も早く到着する事

この教えをただひたすら

愚直に実践し続けました。

 

かえって現場が混乱するのでは無いか?
等々、いろいろな意見もありましたが、
確個たる信念と断固たる覚悟を持って行動し続けました。
然るべき人間とはどのような人間であるべきかを
明確にしておきます。


① 現地、現場で判断、決断する事が出来る人間
② 現地、現場と本部機能をつなぐ事が出来る人間
③ 現地、現場の全てを共有、共感出来る人間

 

上記三点が大切なコトだと思います。
災害発生時だけではなく、
初動はとても重要です。
皆さんも少しだけ初動を意識してください。
きっと今までよりちょっと結果が良くなるはずです。

 

北海道②


空港からタクシーに乗り込み
札幌市内のグループ企業本社にむかいました
その途中で見た今までの経験とは違う光景を
紹介させていただきます。
大手電気量販店、ホームセンターの店舗に
想像以上に人だかりができていました。
通電しているガソリンスタンドは
渋滞が発生していました。
熊本の震災でもガソリンスタンドの
渋滞は経験しておりますが、
それでも今まで経験したことが無い長さでした。

その移動の最中に困ったことが発生しました。
今までの経験したレベルを越えていました。

一つ目は、ATMが動いていないという事です。
災害発生時、現地に迷惑をかけないように
最低限の準備はしていたのですが、
現金の準備の重要性を想定していませんでした。
当り前ですがカードは使えません。
準備の大切さを痛いほど分かっていながら迂闊でした。
それでもあらゆるATMが動いていないことを
現地で確認した時、少し動揺してしまいました。

二つ目は、宿泊する場所が無いという事です。
緊急事態なのである程度
致し方無いと思っておりました。
災害時に同様の事象が発生しますが、
見事なまでに全てのホテルが宿泊出来ない。
考えてみれば当たり前の事でした。
電源が無い、水が使えない
それも広いエリアで発生している。

三つ目ですが、情報が本当に大切だということ
電源が無いということは
TVを見ることも出来ないことは勿論です。
中継基地の電源が確保出来ていないことが原因で
インターネットもつながらないエリアがありました。
タクシーで移動していたので、
ラジオを確認することは出来ましたが、
改めて情報の重要性を再認識しました。

改善が必要なこと
① 電源対策
現金を確保することができたのは、
自家発電をしているセイコーマートさんのお陰でした。
移動販売車も同様に自家発電しながら、
暖かい食べ物を販売することが可能となり
長蛇の列が出来ていました。
通電した後の充電可能な場所では、
充電することを目的として
コンセントに人が群がっていました。
自家発電、蓄電機能について、
行政、民間双方で改善すべき点です。

② 情報の収集と共有対策
札幌駅周辺では日本人も情報不足で
宿泊難民が沢山いました。
それ以上に海外から来られた方が
本当に困っていました。
大阪の地震の時も
同様の事象が発生しましたが、
2020年にむけて改善が必要な対応だと思います。
改善の為には事前対策の充実が必要です。

宿泊問題に戻らせていただきますが、
電気が使えないという事は
水も使う事が出来ないという事でした。
多くのホテルは水を一旦、
屋上のタンクに貯蔵しなければなりません。
絶体絶命の危機を救ってくれたのは、
遠い本社で働いている仲間でした、
現地の状況を目の当たりにしていたので、
最悪の状況も覚悟していました
みんなが必死に探してくれた事が分かりましたし、
本当にありがたいと思いました。
宿泊させていただいたホテルにも心の底から感謝です。
真っ暗な部屋の中に宿泊することは初めてでした。
少しでも明るくする方法を調べました。
ペットボトルを活用する事が有効でした。
調べると様々な有効情報があります。
今後まとめて紹介出来ればと思っております。
これも移動中にタクシーの中で携帯電話を
フル充電させていただいたお陰でした。

先遣隊の役割
札幌に到着しグループ企業の二社の本社で状況確認と、
翌日以降の動きを現地のメンバーと先遣隊メンバーで検討しました。
昨日、然るべき人間が現場で確認すべきと書きました。
何故、これが必要なのか?
理由が三つあります。

 

三現主義

一つ目は、現場で確認しなければいけない。
現地メンバーは、
何回も災害を経験していません。
もちろん訓練はしていますが
訓練とは違う事が沢山発生します。
現場でその状況を確認した上で、
判断しなければいけません。

二つ目は、現物を確認しなければいけない。
現場の報告を正しく判断しなければいけない。
現場としてはどうしても出来る事を報告します
迷惑をかけてはいけないという責任感から
本当にやるべき事は何なのかの判断と、
違う判断になってしまうことがあります。
現物を確認した上での対応が必要なことです。

三つ目は、現実を確認しなければいけない
今やるべき事は勿論なのですが、
発生当初だからこそ現実を注視した上で、
今後の中長期で何をすべきかを考えなければなりません。
これに原理原則で動く五現主義で対応することが
リスク発生時には実施すべきことです。


幸いな事に、今回の二社のトップ及び現場メンバーは
上記の事をしっかり理解して行動していました。
じゃあ北海道に行かなくても良かったのか?
答えは否です。
現場が原理原則通り出来ているのであれば、
現場が対応出来ない事を対応することが
災害時の先遣隊に求められる事だと思います。
災害発生後の段階的対応等についても機会があれば
もう少し詳しくお話し出来ればと思っております。

北海道③


先程、縁とタイミングの話しをさせていただきました
北海道では運よく大型タクシーで移動することが出来たのですが、
このタクシーを使っての移動も縁とタイミングを感じました。


大型タクシーであった事の利点がいくつかあります。
① 大人数での移動が可能
② 臨時事務所機能
③ 電源確保が随時可能

 

その他にも利点は沢山ありましたが、
少し詳しく説明させていただきます。
タクシーであるコトの利点、
正しい情報源の確保は地元ではない人間にとって大きなメリットです。
大型車のであるコトの利点、
拠点として移動が可能なコトは勿論ですが、
電源確保に余裕があったことは精神的にも助かりました。
その中でも、我々にとって一番ありがたかった事は、
今回の運転手さんと出会えた事でした。
単なるタクシーの運転手という範疇を超えて、
我々のニーズを常に先回りした対応で
先遣隊の一員として大活躍してくれました。


大活躍の具体的な内容ですが、
① 常に最新の情報を収集する。
② 我々の知らない北海道の情報を教えてくれる。
③ 我々の期待以上の行動をしてくれる。

 

一人の人間としても尊敬出来る素晴らしい方でした。
運転手さんは、元々農業をやられていた方でした。
ある会社でタクシーの運転手をしていた時、
一念発起して個人タクシーを開業されました。
個人で開業したことも凄いのですが、
その進取の気概が素晴らしいと思いました。
① タクシーの大型化
② クレジットカード対応
③ アウトドアレジャー対応
常に新しいニーズを考え一早く対応されていました。

当り前なのですが、
何が最善であるかを想像し、
常に、お客様第一で考え行動されていました。
地震が冬だったらもっと悲惨でしたよ、という言葉を聞き、
我々は冬ではなくて良かったと思ったと同時に、
最悪の事態を想像しました。
現地だからこそリアルに感じたことの一つです。
二日間同じホテルに宿泊しましたが、
運転手さんには、毎朝驚かされました。
二日目は、朝起きると黙々とゴミ拾いをしていました。
その理由を尋ねてみたところ、

「こんな大変な時に宿泊させていただいたホテルの前が
 ゴミばかりでは申し訳ない、それだけではなく、
 折角、北海道に来ていただいた皆様に
 ゴミだらけの街を見させるのはしのびない。」

決して人に見てもらう為のパフォーマンスではなく、
本当に心の底から思った事を
すぐに行動出来る姿に感動しました。
三日目の朝もプロフェッショナルな姿に頭が下がりました。
前日、ガソリンの残量に少し不安がありましたが
翌日の予定であれば給油しなくても可能なはずでした。
その中で朝早くから開店しているガソリンスタンドに並び、
我々が出発する前に燃料の補給を完了してくれていました。
震災直後という事もあり、
危険なエリアにも行かなければなりませんでしたが、
先遣隊のミッションを共有し
車で通り辛いところも出来るかぎり対応してくれました。

仕事をするということ
運転手さんから、大切なことを教えていただきました。
言われたことをやるだけが仕事では無い。
今、何をすべきなのかを考え、行動すること、
相手のことを常に思って行動すること、
簡単なようで実行することが難しいことです。
縁を大切に
思えば、今回の運転手さんとの出会いの様に
いつも良い出会いに恵まれてきました。
出会いからいろいろなことを学びました。
今後も一期一会が沢山あると思います。

今この瞬間こそ、ベストだと信じ行動し続けます。
良き出会いを大切にし、
運転手さんのように、
出会った人の為に頑張りたいと思っております。
そして良い仕事が出来る人間を目指します。

北海道④


北海道で体験した気付きを紹介させていただきます。
今回人だかりや、人の列が発生するスポットがありました。

充電スポット
先ず何度も記載させていただきましたが充電スポットです。
ありとあらゆる場所で充電待ちの列を散見しました。

公衆電話
人の列といえば、公衆電話に長い列が発生していました。
理由は緊急対応として、公衆電話が無料開放されていました。
適切な対応だったと思います。
電話ボックスの今後の在り方も時間があれば考察したいと思います。

タクシー乗り場
電車、バスが動かない状態が続いていました。
そんな中、タクシー乗り場には長い列が出来ていました。
タクシーが来ると、先頭の方が声をかけて同じ方向であれば
乗り合いで同乗している姿から譲り合いの精神を再確認しました。

緊急避難場所
札幌駅のコンコースの開放も宿泊難民にとっては
ありがたかったと思います。
通電直後に営業を再開した居酒屋は直後に満席になっていました。
ネットカフェも即時営業を再開していました。
一刻も早い営業再開することの意味を再確認しました。

 

行政の対応という点では、
札幌市の対応が素晴らしかったと思います。
市長を中心に最善の対応をされていました。
避難所として、
オープン前の市の施設を開放していました。
大勢の札幌市内を彷徨っていた
海外からの旅行者が多数利用されていました。
そして、その中で少しでも快適に過ごせるように。
気配りをしていた姿に感動しました。


今後の課題
人だかり、人の列を何とかしようと対応する人、
他都府県からの応援の人、
その状況を正確に報道しようとする人、
沢山の人が災害時には動きます。
土砂崩れが発生した現場、町役場は
人が溢れかえっていました。
みんながやるべきコトを一生懸命やっているのに
むしろやればやるほど、
結果として上手くいかないことが起こります。

今後の災害時にはもう少し災害対応の交通整理をすることが
出来るのではないかと思います。
西日本集中豪雨の際、
行政と民間が一体となった対応が出来ている事例もあります。
行政と民間の役割と責任を明確にした上で、
それぞれが協力する体制を構築することが必要なことであり、
緊急時協力体制を実現することは実現可能だと思います。

通電後
地震発生の三日後には、
大半のエリアが通電していました。
生活必需品を買い込む姿を見ながら気付いた事は、
普段の地震の後よりも、
本格的な備えをしている姿でした。
真冬の北海道で同じ事が発生した場合を
想定して準備をしていたのかもしれません。
様々なリスク対応を経験しましたが、
不幸な中でもみんなが協力して必死に頑張る姿を知っています。
災害は起こらない方が絶対によいと思います。
その中でも、


今後我々がやらなければいけない事は、
実際に起こった事象の中から、
本当にやらなければいけない事を検証し、
今後何をすべきかを明確にすることです。

 

そして、大切な事は準備をしておくことです。
準備の一つですが、防災訓練は絶対に必要です。
しかしながら、実際の現場では
防災訓練と違う対応も必要になります。
その時に本当にやらなければいけない事は
現場でしか分かりません。
訓練等の仕組みを作ることと同時に
対応できる人間を育成しておくことも重要です。

まとめ
最後になりますが、二日目の夜食べた
大根サラダが本当に美味しかった、
刺身のツマの人参の千切りも
今まで食べた事がないくらいに
甘くて美味しかったです。
災害が発生する度に
日常生活へのありがたみを確認し
感謝する事になります。

これからも、
行動すること
感謝すること
準備すること
上記三点を忘れずに頑張ります。

悩んでいる人、困っている人、辛い人がいれば、
その人達の為に頑張りたいと心の底から思いました。
人生の新しい目標も見つかり
本当に、いろいろなコトを
気付かせてくれる機会となりました。